トップ > 楽天コネクト × MiiTel > 楽天コミュニケーションズのインサイドセールスに聞く 電話営業、成功の秘訣 第1回
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楽天コミュニケーションズのインサイドセールスは、従来の営業の在り方を大きく変革する「イノベーター」ともいえる活動を日々行っています。その背景としては、チーム誕生の経緯や理念、組織を構成する人々のスキルや考え方が、大きく関係しているようです。そこで3回にわたり、メンバーの方々からイノベーションの源泉を探って行きます。
第1回は、インサイドセールス部門を設置したカスタマーエンゲージメント部 部長の Takasan と、実際にインサイドセールスチームを率いている担当課長の Shigeru に、チーム設置の経緯や理念などについて話を聞きました。
マーケティング本部
カスタマーエンゲージメント部
部長
Takasan
Takasan 立ち上げは2020年1月です。私は2019年にフィールドセールスとして入社したのですが、当時はインサイドセールスがなく、いくつかの問題があると感じていました。入社してしばらくしてからその問題を私の上司に伝えたところ、予算をはじめとした実行環境を迅速に整えていただき、ゼロからインサイドセールスを立ち上げることになりました。
Takasan まず第1は同じお客様企業に対し、当社の別部署から重複してアプローチしているケースがあったことです。当社は、通信ネットワーク、コンタクトセンターシステム、クラウドサービスなど幅広い事業を展開しているため、営業活動が商材毎に分かれており、単品営業の色合いが強く、稼働が全体最適化されていないと感じる面がありました。営業部で横断的にチームとなって対応しているとは言い難い状況でした。
第2は、徒労に終わりやすいドアノックのところからフィールドセールスが関与していたこと。これも稼働効率の悪化につながる上、全体戦略よりも自分がコンタクトしやすいお客様に傾斜しがちになる、という問題につながると感じていました。
第3は、各部でのキーディールの管理が商談ベースであったこと。お客様単位でのナーチャリングの発想や仕組みが乏しく、クロスセルの機会を取り逃がしている可能性がありました。これも商材別の営業組織になっていたことで生じていた弊害ですが、商材オリエンテッドな営業に陥りがちで、関連性の高い商材の組み合わせを提案することを難しくしていました。
Takasan 言い方が微妙ですが、ある商材が当該お客様のニーズに最適とは限らないということです。お客様のニーズに応じて幅広く提案できる方が良いに決まっています。お客様企業の中には複数のキーパーソンがいらっしゃって、当社のどの商材を提案するかによって、お話すべき相手が異なります。ある商材でお客様にアプローチした場合でも、その企業様内には他の商材にマッチする別のキーパーソンがいらっしゃるはずなのです。このような幅広いキーパーソンにアプローチして提案を成功させるには、商材毎の「プロダクト営業」よりも、キーパーソンや課題を軸とした「ソリューション営業」が効果的です。
Takasan 一般的には、ターゲットを決めてリードジェネレーションを行うのはマーケティング、生成されたリードをナーチャリングしてアポイントを取るのがインサイドセールス、その後のセリングやクロージングを行うのはフィールドセールスの役割だと言われていますが、私はそうではないと考えています。
法人向け営業では、まずキーパーソンを特定し、そのキーパーソンが抱えている課題やニーズを探索し、相手の様々な状況を把握するための軒下情報収集を行い、長期的な関係を作り上げていく必要があります。法人向け営業は商談スパンが長くなりがちである一方で、いったん関係ができてしまえば定期的な購入が発生しやすいからです。これらすべてを低コストで継続的に担えるのは、常に社内で活動し、お客様からのお問い合わせやご要望にいち早く対応できる、インサイドセールスに他ならないのです。
マーケティング本部
カスタマーエンゲージメント部
インサイドセールス第二グループ
担当課長
Shigeru
Takasan そうかもしれません。これは当社のフィールドセールスが主に商材別で構成されていることも関係していますが、私はインサイドセールスこそがお客様に対する「REP(Representative:代表窓口)」であるべきだと考えており、実際にインサイドセールスの担当者をREPと呼んでいます。有望な見込み客となるキーパーソンを発見し、購入のタイミングでない時期も一緒に並走し、いざ購入する際には自社が一番手になっている。REPとはそのための存在なのです。
当然ながら最初のコンタクトだけではなく、定期的にコンタクトし続けることが必須になりますし、過去のコンタクト履歴を一元管理することも欠かせません。お客様がこちらの電話に出られなかったという情報すらも、きちんと残して管理すべきなのです。また電話を通じたお客様との対話は、生きたマーケット情報の取得にもつながります。さらに1つの企業様の中でキーパーソンを横に広げていくには、自社が提供できる商材の幅広い知識も欠かせません。
Shigeru 理解していただきやすいように、ここで当社のREPの活動イメージをご紹介させてください。大別して、3つの活動を段階的に行っています。
第1はキーパーソンの発掘です。各種マーケティング施策やMA(マーケティングオートメーション)から集められたリードに対して、ファーストコンタクトを行い、見込み客になっていただけるかどうかを見極めます。
第2は見込み客の定期ユーザー化。お客様との継続的な関係を確立するため、電話やメールでのコンタクトを継続的に行います。
そして第3がトスアップです。商談化できるレベルにまでコミュニケーションが密になった段階で、そのお客様をフィールドセールスに引き渡します。大きな案件では実際にトスアップできるまで、2年以上かかることも珍しくありません。
当社のインサイドセールスは、それぞれのREPがこのプロセスを300~400本走らせており、月に6~7件の商談を生み出すことを目指しています。比較的シンプルな商談や定期的な購入に関しては、REP自身でクロージングすることもあります。このような活動を通して、お客様の声(要望)を丁寧に伺い、お客様のお困りごとに寄り添い、お客様の経営課題解決の一助になればと考えております。
Takasan 大きく6つのスキルが求められます。
このようなスキルを持つREPを揃えるため、最初の段階ではインサイドセールスの豊富な経験を持つ、百戦錬磨のベテランを中途採用しました。彼らは当社の営業部門にとって、宝といってもいい存在です。
Shigeru その一方で、スキルの継続的な向上を目指した育成の仕組みも構築しています。
まず約26種類に上る商材の知識を身に着けるため、商材に関する勉強会やスキルチェックテストを行っています。その中には当社の商材だけではなく、グループ会社やパートナー様の商材も含まれています。また新人が入った時には、情報セキュリティやコンプライアンスといった、REPとしての基本も身に着けてもらいます。
お客様へのアプローチの際のトークの組立・話題作り(シナリオ)やコールを行う際の、トークスキルの品質向上にも取り組んでいます。どのように話を切り出すのか、どのような話し方でお客様の潜在課題をどう顕在課題化させるのか、最適ソリューションをどう探っていくのか。トークマナーやCSマインドまで含めて、日々のミーティングを通して、成功体験や失敗体験など自身で感じたことや「こう言ったらこんなお褒めの言葉をいただいた」などの情報も皆で共有し合っています。
REPの活動内容が適切か否かを、チームリーダーや上長がチェックし、問題が発生した際には組織的に支援する体制も整備しています。そのために全コールをモニタリングしているのですが、ここでは「楽天コネクト × MiiTel」※によるコール特性の分析や、コール内容のテキスト化が役立っています。さらに、表彰やインセンティブによって、優れたREPとしての気質を育んでいくことも考えています。 ※「MiiTel」は、株式会社RevCommの登録商標または商標です。
Shigeru コールスクリプトは作成していません。共有しているのは、基本となる施策建付けや方向性であり、これを基にコールシナリオを各自の言葉に置き換えていきます。このようにしている理由は、お客様のICTご利用環境は、様々なパターンであり、固定化した、いわゆるアウトバウンドトークでは、対応ができないためとなります。また各REPにはそれぞれの持ち味があり、それを生かしてほしいという思いもあります。しっかりとした軸を作りつつも、実際のトークはREP自身で作り上げていった方が、お客様との良好な関係につながると考えています。
Takasan もちろんREPが行ったトークが有効だったのか否かということは、常に評価しています。そのためのKPIも設定しており、KPIに基づく評価結果のフィードバックも行っています。現在はREPの多くが10年以上のキャリアを持っており、REPにふさわしいスキルとメンタリティを持っています。基本的な理念をきちんと理解すれば、後は自律的に動けるメンバーなのです。
私自身は、現在のREPのみなさんのことを、インサイドセールスの世界でもトップクラスの「猛獣」だと評価しています。このような猛獣の方々を信頼すると共に、猛獣の皆さんからも信頼されるリーダーになること。これが当社のインサイドセールス組織の運営にとって、最も重要なことだと考えています。
より良いブランドエクスペリエンスを提供する
ため、ビジネスを成長させるため、
最適なコンタクトセンターを構築するため、
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