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連載コラム:
コンタクトセンターの
マネジメントとITシステム

第10回 新たなリスク〜パンデミック〜に対応するコールセンターマネジメント
(システム編)

新型コロナウイルスは、私たちの仕事のあり方を一変させました。
「アフター・コロナ」という言葉も登場し、経済・仕事・生活など社会そのものが大きく変化し、それ以前の「ビフォー・コロナ」には戻れないことを私たちは実感させられます。

プライムフォース株式会社 澤田 哲理

医療崩壊並みに恐ろしいコールセンター崩壊

新型コロナウイルスに関係する政府や自治体支援に対する相談や手続き、金融機関への支払いや融資の相談、医療機関に対する照会、通信やインフラ系企業への 相談や手続き、ほぼすべてのコールセンター窓口で、コールボリュームが激増しています。そして、「3密」の現場で対応するコールセンターの環境整備や勤務の調整、そして場合によっては、人が対応する窓口の全面閉鎖などが発生しています。テレワークの推進で自宅にいる方が増えたためか、不要不急の要件、さらに苦情・クレームも増加し、コールセンターの負担は増すばかりです。サービス需要の激増と人材供給の急減という極端なアンバランスが生じ、何時間もつながらない窓口が出てくるなど、社会インフラの一つであるコールセンターの崩壊に近い状況が世界レベルで発生しています。

コールセンター・トリアージ戦略

需要増・体制減の状況でどのように顧客接点を維持するのでしょうか。それは慎重に顧客の理解を求めながら、サービスのトリアージ* 戦略をとることです。
コールセンターで継続しなければならない緊急度・重要度の高いコールを見極めます。現在コールセンターだけで実施しているサービスは何でしょうか。
チャットやWEB、さらに自動化したチャネルでも展開されているサービスは何でしょうか。継続するサービスの優先順位を決めたら、コールセンターがつながりづらくなることやサービスの範囲を限定することを告知・広報します。最近では携帯電話会社が、サービス状況の顧客理解を求めるCM展開を始めました。

トリアージを可能にするシステムの条件

こうした戦略はマネジメントとシステムの間でピッタリと息を合わせて実施していかなければなりません。クラウドコールセンターシステムでは、企業側で以下のような設定変更ができるため、ITベンダーへ設定依頼するタイムラグがなくなり、スピーディーに対応ができます。

  • ・音声応答サービス(IVR)

    IVRのメッセージ構成を修正し、お待たせアナウンス・サービス限定に関するお詫び・重要なコールのみのルーティング、場合によっては優先度の低い内容についてはご案内後の切電なども設定可能です。
  • ・コールのルーティング

    IVRと連動してスキルベースのルーティングが設定できます。コールセンターの実務以外の管理部門は早々にテレワークに移行している企業もあるようですので、コールセンターの3密の環境を防ぐために自社あるいはクライアントの拠点などの暫定的な拠点の活用を検討したり、テレワークを実施している社員が一部の案件のエスカレーションやコールバックを担当したりすることもできます。
  • ・コールセンター外の部門との連携・接続強化

    前項のようにコールセンター外の部門との連携は今後も重要となります。他部門の社内電話網や業務フロー、クラウドCRM基盤の共有などコールセンターと親和性の高いシステムを検討していくことが必要となります。

コールセンターに突きつけられた“新しい現実”

米国をはじめとして世界では、コールセンターの在宅化の取り組みがさらに本格化しています。新型コロナウイルス流行の初期には、金融系のコールセンターの在宅化は個人情報管理の面で難しい課題といった論調でした。しかし今では、「在宅型コールセンターでも個人情報画面の開示や入力のセキュリティ確保は十分に可能である。」など、明らかに一歩踏み込んだ実践レベルでの発言が増えています。日本でも早期に完全在宅化に踏み切ることができたコールセンターもあれば、依然として「3密」から抜け出す施策を見いだせないところもあります。
いずれにしても、在宅型コールセンター・コールセンターのテレワーク化は避けて通ることができない“新しい現実”です。

アフター・コロナに訪れる“圧倒的な現実”に備えよう

先に挙げたシステムの活用例は主要なものを簡単に紹介したものですが、顧客接点設計で、どのように将来像を描くのかが重要です。サービスの内容や範囲、コールセンター拠点と在宅型の活用を含めたサービスデザインが求められます。
「セキュリティ」を言い訳にできる時代は過ぎ、圧倒的な「リアリティ」すなわち社会・企業・コールセンターが直面している変化に、マネジメントとシステムの両面から立ち向かうことが大切です。
現在、各社がクラウド型ソリューションを発表しています。基本的な機能については確保されつつあり、安定性・冗長性・拡張性・既存システムや社内電話網との親和性・サービス提供の方法やコスト体系などの視点で、しっかりと選ぶことが大切です。

*トリアージ:医療現場で使われる用語で患者の重症度に基づき治療の優先度を決定し選別を行うことを指す

まとめ

  • ・サービスと人材の需給バランスが崩れ、コールセンターは危機的な状況にあります
  • ・サービスのトリアージを可能にするコールセンターシステムの採用が重要です
  • ・セキュリティからリアリティへ。マネジメントとシステムの両面から取り組みましょう
2020年5月掲載

著者プロフィール

澤田 哲理

マネジメントとITシステムの最新トレンドを組み合わせたコールセンター・コンサルティング会社
プライムフォース株式会社 共同ファウンダー/代表取締役

顧客サービス部門オペレーターを皮切りに顧客満足度分析、コールセンター運営マネジメント、ICTシステムの導入、アウトソーシング先選定と運営など多岐にわたるマネジメント業務を経験する。
船井総合研究所グループ企業で14年にわたり、顧客接点のパフォーマンスマネジメントの世界標準であるCOPC規格のリード監査員・シニアコンサルタントとして、のべ100社以上の監査や支援を実施。
業界動向に対する研究や知見を通じて、次世代の顧客接点設計を手がける。
日本コンタクトセンター教育検定協会 CMBOK知識スキル体系 主任編集委員として、スキル体系のほか5資格のテキストを執筆
CIAC Call Center Strategic Leader/ITILファウンデーション/PMP(Project Management Professional)/上級シスアドを過去に取得

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