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連載コラム:
コンタクトセンターの
マネジメントとITシステム

第6回 センターシステムの選び方②
(専門家が語る選定のポイント~選定プロセス編)

コールセンターシステムにどのようなプラットフォームを選定するのか、そしてどのような機能を導入していくのか、経営的な重要度は増すばかりです。DX(デジタル・トランスフォーメーション)の時代に、どのようにシステムを選定したらよいのか、今回は選定プロセスについて考えていきます。

プライムフォース株式会社 澤田 哲理

目的と成功判断基準を明確にする

AIやチャットボット、そして在宅型コールセンター、クラウドCRMなど、システムの流行やアプリケーションの機能優先でシステムを選ぼうとすると、うまくいかないことが多いです。組織として何がしたいのか、何を変えていきたいのか?という目的の整理が必要です。企業としての事業戦略やコールセンターのあり方、そしてどのような顧客体験を提供していくべきか、また従業員のモチベーションや働き方も考えていく必要があるでしょう。そして、システムによってどのように、それらの目的が達成できるのか、成功判断基準を明確にしていく必要があります。

システム導入の目的はなんですか

目的と成功判断基準ができたら、RFP(提案依頼書)を作成する

システム導入の目的、そしてその評価の基準が整理されたらRFP(Request For Proposal)を作成します。
RFPの主要な構成要素は以下の通りです。

  • ・会社やコールセンターの概況
  • ・目的と成功判断基準
  • ・現在のシステムや回線の契約/環境
  • ・業務ボリューム(年間の変化・今後の計画・件数と処理時間)
  • ・システムに求める諸条件(基盤システムとの連携などの制約条件、事業継続性等)
  • ・提案書に求める記載事項やフォーマット
  • ・期限やスケジュール
  • ・連絡先窓口

この中で、クラウド時代のRFPに特に盛り込むべき内容は、現在のシステムや回線の契約/環境と業務ボリュームです。クラウドシステムの場合は、アカウント数単位や利用時間(分数)で課金されるものが多いので、業務ボリュームについて正確な情報がないと必要コストを正しく算出し、比較することができません。

クラウドシステムとオンプレミスの比較

クラウドコールセンターシステムとオンプレミスのシステムを比較検討する場合、それぞれの特徴を理解し、すべてを含めて比較していく必要があります。

  • 特徴1:コスト構造の違い

    旧来のオンプレミス型のシステムでは、システムの初期導入費用だけでなく、3~5年間は減価償却費と保守運用料金かかります。それに対し、クラウド型のシステムは減価償却費がなく、保守運用料金はシステム利用料に含まれていることが多いため、この金額も合わせて比較していくとよいでしょう。
  • 特徴2:システムの先進性と更新費用

    クラウド型のシステムでは、最新の機能が順次盛り込まれ、常に最新の機能が利用できます。オンプレミス型だと、最新機能を利用するためにシステムのOSをバージョンアップする費用がかかることもあるため、バージョン更新のタイミングや費用についても確認しておく必要があります。
  • 特徴3:柔軟性

    災害時におけるコールセンターシステムの冗長性確保として、データセンターが1つなのか、複数あるのか、国内だけなのか、海外にもあるのかという点も比較すべき内容です。また、災害・パンデミック発生時に在宅化に切り替えることを想定している場合は、クラウド環境でなければ難しくなります。オンプレミス型の場合は、どのように対応できるのかも提案書に入れるようRFPに加えておくとよいでしょう。

コストだけでなく目標の達成度合いや定性的な機能もスコアリング

RFPに基づいて、各社から提案書が提出されたら、しっかりとそれらを比較しなければなりません。他社も使っている、営業が熱心だ、見積書の金額が安いなどの理由だけで選ぶわけにはいきません。
選定項目を分野毎に整理し、さらに通常は0~5ポイントでスコアリングできるように選定項目毎の評点基準を事前に決めておきます。さらに項目によっては、システム選定の条件で絶対にゆずることができない点(例えば事業継続性や既存システムとの連携など)もあるかもしれません。それらの点は、一定のスコアリングを達成しないと他の要素が高くてもその事業者は不合格となるサドンデス項目になります。
また、コストについても、そのプラットフォームの課金プランと、RFPに掲載した業務ボリュームとが正しく計算されているかどうかを精査し、初期費用と月次の運用費用を分けて各社同条件で比較できるようにします。
重要なことは、システム導入の目的によっては、コストが一番安い事業者ではなくて、目標を達成できるシステム事業者を選択する必要があるかもしれないことです。そのためにも事前に決定しておいたスコアリング表に基づいて客観的に比較することは、企業における調達の透明性の観点からも非常に重要です。

システム選定のスコアリングシート例

弊社にも、システム選定を客観的な視点で支援してほしいというクライアントの要望があり、現状の調査、課題と要件の整理、RFP作成、提案書の評価比較、システム事業者の決定、導入プランの設計などのプロセスを一貫してご支援するケースが増えています。
どのようなシステムを選定するかは、コールセンターが提供する顧客体験、従業員の働きやすさ、市場における競争力の確保などに大きな影響があります。選定プロセスに基づき、後悔のない確かなシステムを選定していきましょう。

まとめ

  • ・システム導入の目的と成功判断基準を明確にすることが重要
  • ・クラウド化はシステム選定の重要な検討ポイント
  • ・客観的な基準でスコアリングし、確かなシステムを選びましょう

著者プロフィール

澤田 哲理

マネジメントとITシステムの最新トレンドを組み合わせたコールセンター・コンサルティング会社
プライムフォース株式会社 共同ファウンダー/代表取締役

顧客サービス部門オペレーターを皮切りに顧客満足度分析、コールセンター運営マネジメント、ICTシステムの導入、アウトソーシング先選定と運営など多岐にわたるマネジメント業務を経験する。
船井総合研究所グループ企業で14年にわたり、顧客接点のパフォーマンスマネジメントの世界標準であるCOPC規格のリード監査員・シニアコンサルタントとして、のべ100社以上の監査や支援を実施。
業界動向に対する研究や知見を通じて、次世代の顧客接点設計を手がける。
日本コンタクトセンター教育検定協会 CMBOK知識スキル体系 主任編集委員として、スキル体系のほか5資格のテキストを執筆
CIAC Call Center Strategic Leader/ITILファウンデーション/PMP(Project Management Professional)/上級シスアドを過去に取得

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